本年度第7回抄読会を以下のとおり開催いたします!
ツイキャス配信日時:平成27年10月26日(日曜日)
■午後20時45分頃 仮配信
■午後21時00分頃 本配信
なお配信時間は90分を予定しております。
※フェイスブックはこちらから→薬剤師のジャーナルクラブFaceBookページ
※ツイキャス配信はこちらから→http://twitcasting.tv/89089314
※ツイッター公式ハッシュタグは #JJCLIP です。
ツイキャス司会進行は、桑原@89089314先生です!
ご不明な点は薬剤師のジャーナルクラブフェイスブックページから、又はツイッターアカウント@syuichiaoまでご連絡下さい。
症例23です。今回も山本@pharmasahiro先生に作成していただきました。以下山本先生のブログより転載です。
[症例 23:新しい糖尿病治療薬で合併症を防ぐことができるのでしょうか?」
【仮想症例シナリオ】
あなたは, とある街の中小病院勤務の薬剤師です.
薬剤部にてデスクワークをしていると,
自分の担当している内分泌・糖尿病内科病棟のDr.より突然電話がかかってきました.
「MRさんからの情報で, 一番新しいSGLT2阻害剤が結構いい薬だって言われたから今度院外処方をしたいのだけれど, 近隣の薬局さんに在庫があるかどうか聞いてほしいんだ」
電子カルテを確認すると, 次の患者に対してエンパグリフロジン(ジャディアンス®)が処方される予定であることが判明.
[患者情報]
とくに目立った既往のない 40代半ばの男性
会社の健康診断がきっかけで2型糖尿病と診断されてまだ半年ほど経過したばかり
HbA1c= 8.3%
肥満(BMI=30)
メトホルミンとインスリンを使用していたが体重も血糖もコントロール不良とみなされ次の一手を考えていた.
とくに目立った既往のない 40代半ばの男性
会社の健康診断がきっかけで2型糖尿病と診断されてまだ半年ほど経過したばかり
HbA1c= 8.3%
肥満(BMI=30)
メトホルミンとインスリンを使用していたが体重も血糖もコントロール不良とみなされ次の一手を考えていた.
あなたは, MRがDr.にどんな情報を渡したのかを教えてもらい, それに基づいてPubmedを使って情報検索を行いました.
すると,
確かに該当する報告を見つけることができたので, 早速読んでみることにしました.
[文献タイトルと出典]
Zinman B, et al.
Empagliflozin, Cardiovascular Outcomes, and Mortality in Type 2 Diabetes.
N Engl J Med. 2015 Sep 17.
PubMed:http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/26378978
PDF → こちら
(全文フリーで入手可能)
Zinman B, et al.
Empagliflozin, Cardiovascular Outcomes, and Mortality in Type 2 Diabetes.
N Engl J Med. 2015 Sep 17.
PubMed:http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/26378978
PDF → こちら
(全文フリーで入手可能)
[情報を吟味するという事]
この論文について、多くの医療者の方が既にブログ等で批判的吟味を掲載されております。僕自身、この論文を吟味していて、ある言葉を思い出しました。
東京大学の平成26年度教養学部学位記伝達式における東京大学教養学部長 石井洋二郎先生の言葉です。
「あらゆることを疑い、あらゆる情報の真偽を自分の目で確認してみること、必ず一次情報に立ち返って自分の頭と足で検証してみること、この健全な批判精神こそが、文系・理系を問わず…(中略)…「教養」というものの本質なのだ」
まずは、様々な情報に惑わされず、ご自身で批判的に吟味することをお勧めいたします。僕自身もこの論文はいろいろな情報に振り回されてしまったような気がしています。自分の目で論文情報の妥当性を吟味すること、これが薬剤師にとっての教養なのでしょう。