[お知らせ]


2014年9月29日月曜日

国際的緊急事態であるエボラウイルス感染(The International Ebola Emergency)

N Engl J Medにここ最近エボラウイルス関連の記事が立て続けに掲載されています。少しずつ読んでいこうと思います。拙訳ではありますが、以下の記事をご紹介いたします。誤訳等あるかと思いますがご容赦ください。

The International Ebola Emergency

88日、33週間というエボラウイルス流行の記録史上、最長、最大、そして広範な流行規模の現状からWHOは国際的な懸念を要する公衆衛生上の緊急事態PHEICだと宣言した。この宣言は決して軽視できるようなものではない。PHEICは主要な国際保健上の脅威の封じ込めに196カ国によって法的拘束力を有する合意である国際保健規則(IHR)の公式文書である。

88WHO事務局長マーガレット·チャンは、独立IHR緊急委員会からの助言に従ったと述べた。すべての入手可能な証拠の確認し、委員会は、エボラの更なる国際的な広がりが深刻な結果をもたらす可能性があると結論付けた。その懸念はエボラウイルスによる高い致死率誇る医療施設をはじめ、保険サービスが貧弱である、ギニア、 リベリア、 シエラレオネ、 ナイジェリア、その他感染の危険性のある他の近隣諸国など西アフリカ地域における持続的な感染拡大であった。

公衆衛生緊急事態は、すべてのIHRの署名者への迅速な結果をもたらす。現時点で影響下にある4つの国において緊急委員会は、いくつかの提言を行った。各国のトップは、国家災害管理システムを有効化し、国家の非常事態を宣言し、緊急オペレーションセンターを確立する必要がある。感染者やその接触者の国際的移動があってはならない。強烈な感染エリア - 特にシエラレオネ、ギニア、リベリアの国境域- 影響下にある人々への集団的な臨床ケアの提供は人々の動きを低減させるベースとなることが可能である。感染の拡散のリスクを低減させるために葬儀と埋葬が完全に訓練された人員の存在下で行われるべきである。必要であれば、検疫などの臨時の補助的措置を考慮しても良い。これらの推奨事項は、特別な事態への強い対応を含むものだがしているが、威圧的高圧的なものをではない。むしろ、彼らの理解と影響を受けたコミュニティの協力を得て導入すべきである。

現在の流行は、以前のEVDの流行よりも多くの感染症例や死亡の原因となっている。それは、ギニアのGuéckédou地区に端を発しているように推測される。最初のケースは、201312月に記録されたがそのケースは、おそらく今回の流行の発端ではなかった。20144月の終わりまで、ほとんどのケースは、ギニアから、少数はリベリアとシエラレオネの国境を接する部分で報告された。
4月下旬には、ギニアでのケースレポートの減少が流行の鎮静化し始め、一国に絞られたというような希望を与えた。この希望的観測はリベリアとシエラレオネの確定患者数が5月の間に急激な上昇が見られたが放棄された。

816日までにナイジェリア及び最悪の影響下にある3国の累積感染例、疑い例は2240例、死亡者は1229例に及ぶ。症例の死亡者数は致死率55%を意味する。ただし、いくつかの症例数および死亡数は(おそらく多くの)見逃してきたので、この推定値は、おおよそのものである。特に、流行初期にギニアでのトレースは決して十分ではなく、のためのさらなる機会を許してしまった。また致死率は30%から90%までの範囲であり地理的なサイト間で顕著な差を認める

症例の最大数は728日始まる週に報告されたが、ギニア、リベリア、シエラレオネからのデータ解析から発生率が減少し体系化されてきていることが示唆されたものの、流行が制御下にあるという説得力のある証拠はない。そして、最近発見されたギニア、リベリア、またはシエラレオネとの国境を共有していないナイジェリアからの症例は、アフリカ全土や他の大陸に広く蔓延する危険性を強調している。即時の健康への懸念を超えて、エボラウイルス感染症は人道的、経済的緊急事態になってきている(学校が閉鎖され、農業や鉱業に従事する労働者が被災地を離れ、国境を越えた商取引が鈍化しているという脅威にさらされている。)

私たちは、まだエボラワクチンまたは特定の抗ウイルス治療を有していない。しかしながら過去や現在の知見は感染制御措置により感染の蔓延を阻止できることを示している。感染ルートは明確である。血液、分泌物、器官、または感染者の他の体液との直接接触がある場合、感染の可能性が高い。そして症状が(ウイルスが体液中で持続する)治まった後でも、感染残ることがあります。エボラの主要な動物リザーバは、おそらくオオコウモリであり、ヒトへの感染は、家畜ブタおよび霊長類を含む中間哺乳動物宿主からの感染によるものだと考えられるしかし、この流行は、ほぼ確実に物理的な接触を通じて人から人への伝達によって維持されている。感染した体液との接触が大きなリスクを運ぶが、エボラウイルスは通常、大規模な集団において急速な普及をすることは稀である。前回の流行データより、西アフリカにおける麻疹では1症例から1417症例を生み出すと言われているのに対してエボラは1症例から13例にとどまると考えられている。

これらの観察は、感染制御のために即時必要な優先順位を指し示す。患者の隔離と早期診断、 接触者追跡、 実験室でのバイオセーフティに関するガイドラインを厳守、  すべての医療従事者によるバリア看護手順および個人用保護具の使用、汚染されたオブジェクトや地域の消毒、安全な埋葬。エボラの患者は、対症療法や集中治療を必要とし、臨床報告においては、より良い対症療法が患者の生存期間を改善する可能性を示唆している。そのため緊急オペレーションセンターの設立は、非常に重要である。

当然ながらこれらの感染制御情報は簡潔に列挙されている。臨時のリソースがエボラ流行に際してあらゆる健康サービスが必要とされるが、保健医療サービスに必要な人材は人員不足であり、流行が長引く恐れがある。基本的な個人防護服や検査施設などの規模は限られており、接触者を十分追跡できないことが診断の遅れにつながっている。これらの問題の上に、保健サービスは恐怖や差別の微妙な空気の中で遂行せざるを得ない確認された症例の患者の中にはその接点情報に関して医療チームによるフォローアップを逃れてしまっている。(これが潜伏期の3週間をカバーするに十分な期間を費やしている)一部の患者とその接触者は、地域を追放された。その地域ではエボラが魔法の産物であると考えられている。医療従事者は、それらが直面するリスクを認識している。150以上の医療従事者は、すでに感染しており、少なくとも80人が死亡している恐怖はまた、国内および国際的な医療チームに対する敵意になっており、研究室に不可欠な機器やサンプルの輸送や医療提供が阻害されている

この流行は前例のない規模が驚きではあったが、その国際的な対応はむしろしっかりと進められている。88日は流行阻止のために計画が宣言されている。ギニア、リベリア、シエラレオネ、ナイジェリアで成立さするために、2014年末までに少なくとも1億ドルの費用がかかる。計画の主要な要素は サーベイランスを通じて現場対応を強化する、症例の調査、患者のケア、 接触者の追跡、国際対応の調整。各国政府の支援、世界銀行が資金ギャップを埋めることを約束した。国家レベルでは、リベリア、ナイジェリアは国家緊急事態を宣言しており、空港や港湾から出入国者のスクリーニングを行っている。ギニアはリベリア、シエラレオネとの国境を閉鎖しました。リベリアの国立伝統評議会のメンバーは、全国の地域社会に対処してきた。域社会の関与が不可欠である。私たちはすでにどのように見てきたように、Téliméléにおいて、感染の伝播は地域社会における地元の指導者の指示を受けて縮小した。


私たちは、毎週毎週、発生率の持続的な減少や感染サインのない地域の拡大を期待している。ここ数日から数週間においてそれが感染を防止し、人命を救う指標となるからである。

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