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2012年4月6日金曜日

EBMの実践に思うこと

「いまの私たちにとっては「ごく自然」
と思われているふるまいは、

別の国の、別の文化的バックグラウンド
をもっている人々から見れば、

ずいぶん奇矯なものと映るでしょう」

内田樹氏「寝ながら学べる構造主義」(文春新書 2002年)より

高血圧の患者において血圧を下げるのは
医療者側からしたら当たり前のようなことかもしれないが、
患者からしたらものすごく異常なことかもしれない。

血圧は下げるべき。
高血圧を治療すれば10年後の脳卒中が5%も減ります。
この血圧でちょうどよい
高血圧を治療しても10年後の脳卒中は5%しか減らない。

どれが正しい主張なのか。
5%リスクの上昇の阻止という現象を
医療行為を正当化するものとして、
何の疑問ももたずに適用することは大きな間違えだ。
5%リスク減少の裏には95%の効果なしが存在する。
そしてその人たちは医療者に作られた高血圧患者である。

大部分の高血圧は10年後に振り返ってみれば、
治療をする必要のなかったものかもしれない。
そういうことへの疑問を持ち日常の医療行為の中で
それを反映させるべきツールがEBMかもしれない。

そもそも健康と病気の境目は何だろう。
ガイドライン、診断基準などは
医療者側が作ったものにすぎない

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